ノンフィクション

リアルな現実の狭間で生まれる様々な感情

脱皮を経てサナギへの過程

ワケの分からないまま人生初の彼女が出来た。一緒に帰るでもなく、休日にでかけるでもなく、むろんキスなどもしない、

極めてプラトニックで無機質なカップルが誕生した。


彼女の名はコトミ。休み時間の度に俺のクラスに来て話しかけてくる。

それは構わないのだが、茶化されるとどうにもバツが悪い。しかもその筆頭がキンヤ君だから始末が悪い。

付き合ってる、と公言したのが運の尽き、根掘り葉掘り鬱陶しい気持ちがあった。


そんなある日、コトミから電話があった。


今から海に来れないか?と。


なんてことはない、海にいってたわいもない話をしていたのだが、いかんせん寒い。

寒いな素振りを感じたのか上着を差し出すコトミ。何の迷いもなくその上着を羽織るバカな男。

そしてそれをキンヤ君に話した途端、大爆笑が巻き起こり嫌になっちまった愚かなオレ。


いつも通り休み時間にきたコトミに、もう来るな、話しかけるな!と言ってしまった。


寂しそうに去って行くコトミを気にしないバカな男は、これで良いんだ。そう自分に言い聞かせていた。


なんだかんだ、クラスにも馴染み、担任の荒井先生がクレイジーなヤツだと認識する頃、二年生に進級した。


その頃は、ゲームショップで知り合ったヤツとはクラスも違うし、ケンカもするし、変な距離感を保っていた。

まだまだこの頃は小心者の小僧だったと思う。


ちなみに部活は週に一度はサッカーをする、という理由もあり陸上部に入部していた。

足を鍛えて高校からサッカーをするぞ、と当時は思っていた…


以前いた学校では体育祭の時のクラス代表になるくらいに持久走は早かったのだが、入部したらビリ。

毎日先輩にど突かれながら長距離を走らされて、食事も喉を通らない日々が続いた。


全力で走れ!とそれこそ全力で走ったが先輩は県大会の常連なのでキツイのなんの。

でも日に日にタイムが伸びるのを目の当たりにして頑張っていた記憶がある。


そして、運動しないとすぐ体重が増える体質から太らない体質になったのは陸上部のおかげだと思っている。

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